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逃げ出すのも立派な選択肢。その転職、きっとうまくいきます。

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転職する理由というのは人によってさまざまです。やりがいを見つけるため、給料をあげるため、答えは色々あるでしょう。

そんななか、今の職場が合っていないので、とにかく逃げ出したいという、「逃げの転職」を挙げる人がいます。

逃げの転職は言葉の響きもよくありませんし、世間的にはあまりお勧めされていません。逃げてもどうせまた失敗するよ、などという声も聞こえてきます。

果たして逃げることは悪いことなのでしょうか?ここでは、私自身が経験してきた逃げの歴史をご紹介したいと思います。

研究から学んだ「逃げる」ことの重要性

私はいまでこそ民間の企業でサラリーマンとして働いていますが、その前までは大学で研究をしていました。

研究というのはやってみると分かるんですが、自分の思ったとおりに行くほうが少ないくらい、とにかく失敗の連続なんですよね。これは考えてみれば当たり前のことで、世界中で誰もやったことのないことに取り組んでいる以上、簡単にうまくいってしまっては価値がないわけです。答えがあるかどうかも分からない問題を解いている感覚、といえば分かりやすいでしょうか。

だからこそうまくいったときの喜びは何事にも代えがたいものですし、それだけ重要な仕事をしたということになるわけです。

その一方で、うまくいかなかったときにどうするかというのも、大事なポイントです。ただひたすらに真面目に何度もチャレンジするのが良いかというとそうでもなく、悪い結果ばかりが積み重なることにもなりかねません。真面目でこつこつと実験をするタイプの学生が必ずしも良い結果を出すとは限らないのは、研究室でも良く見られる光景です。

ある程度やってどうにもなりそうになかったら、方針をどんどん変えていく。場合によっては先生やまわりと相談して、研究テーマを変えてしまう。このくらいの柔軟性がないと、短期間のうちに成果を出すというのはなかなか難しいのです。

研究室には何年間も同じテーマで実験を続けて、なかなか結果が出てこない先輩が大勢いました。私はそんな先輩の姿をみながら、一生懸命やり続けることが必ずしも素晴らしいことではないという世界があることを痛感しました。

そこで自分の場合は、見込みのなさそうなテーマはどんどんと切り捨てて、新しことにチャレンジすることにしました。

このある種の「逃げ」ともいえる姿勢のおかげで、短期間の間にそれなりの成果が出せたと思っています。

サラリーマンは逃げてはいけない?

そんな私のことですから、会社員となってからも困ったら逃げればいいや、という感覚でいました。

そして残念ながら、民間企業へ移ってから2社目の会社でその「困ったこと」に見舞われてしまうのです。

バイオ系ポスドクが会計の世界に転職して失敗した話

上司の圧力とブラックな環境に心と体をやられてしまった私は、これは逃げ出すしかないなと覚悟を決めます。

上司に退職したいということを伝えると、大変驚いたような顔をして、そんなことをしたら君のキャリアに傷がつくぞと脅されました。また、私が1年もしないうちに辞めることについては「部活と勘違いしてるんじゃない?」などとも言われました。

今にして思えば分かるのです。自分の部下がたった1年で辞めてしまうえば、管理者としての自分自身に傷がついてしまうということを。私の上司は、私の心と体を心配してアドバイスしてくれたのではないのです。ただただ、自らのキャリアと社内での立場を考えて、私を引き留めようとしたのでした。

普通、こんな感じの雰囲気を出されてしまったら、なかなか会社を辞めづらくなってしまいますよね。ブラック企業から抜け出せず、体を壊してしまう人がこれほど多いのも、きっと会社を辞めるのが難しいからなのだと思います。

私の場合は、上司に相談しても退職の意志を握りつぶされてしまうと判断し、人事と産業医をまきこむことにしました。結果的にはこの判断が正しかったようで、私は急性ストレス障害と診断され、自宅療養が命ぜられました。

このおかげで、ゆっくりと体を休める時間が持つことができました。退職についても人事経由で連絡することで、すんなりと認めてもらえました。

逃げても将来はないぞ、などと上司から脅されましたが、次の職場は驚くほどあっさりと来ましました。労働環境は劇的に改善し、年収も上がりました。まったく、あの言葉を信じなくて本当に良かったと思います。

逃げ方についても学んだほうがいい

学校で、あるいは職場で、私たちはことあるごとに継続は力だ、みたいなことを聞かされます。つらくてもとにかく頑張れば、いつか結果が出て報われるときがくる、と。

私の感覚で言えば、これは半分は本当で、半分は嘘です。この言葉の前には、常に「それが意味のある努力であれば」というかぎかっこがつくべきなのです。

私が研究を通して学んだのは、いくら続けてもそれが結果にならないのであれば無駄であるということです。研究においては「頑張ったで賞」は存在しないのです。そして、無駄だと思ったらさっさと逃げ出して、新しいことにチャレンジすること。これが私のたどり着いた成功の秘訣です。

ところが世間では、継続することは賞賛するくせに、途中で諦めることについては異様なまでに厳しい目を向ける気がします。

私に言わせれば、途中で見切りを付けて撤退することのほうが、だらだらと無意味に続けるよりも遥かに難しい作業です。人というのは、新しいことに向かうよりも、今やっていることを続けるほうを選択してしまうという性質があるのですね。

逃げることに抵抗を持っている人は、是非とも逃げ方についてしっかりと学んでおきましょう。特に、逃げることは悪だという価値化を刷り込まれているのであれば、そんなことはないのだということをまずは自覚するべきです。

私達が生きているのは、自分のことは自分で決められるという自由主義社会です。私たちの体には、かつての奴隷が付けられていたような鉄の重しはついていません。もしも逃げ出すことができないと感じているのならば、それはあなた自身が自分に足かせをかけているのです

まとめ

世間というのは逃げることに対して、随分と冷たい目を向けるものだと思います。特にそれが仕事のことになると、なおさらです。

そのくせ、ブラック企業から抜け出せずに過労死したり、自殺の道を選んでしまった人には、そこまでいく前にやめればよかったのに、などと無責任な言葉を投げかけます。

私自身が体験したように、会社というもは辞めたくてもなかなか辞めさせてもらえないということが往々にしてあります。

そんなときは一人で悩まず、産業医などに相談することがお勧めです。

また、転職という道を早々と見つけておくことも重要です。特に頼りになる転職エージェントのアドバイザーが見つかれば、退職の仕方も含めてアドバイスに乗ってくれるでしょう

逃げ出すというのも、立派な選択肢の一つです。このことを、是非とも胸に刻んでいただければと思います。

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ケンドー修介

東大を卒業して研究者の道に進むも、アカデミアの厳しい現実に直面してドロップアウト。 夢破れて借金あり、なんて言ってもいられず、30半ばから資産形成を開始。インデックス投資のほか、仮想通貨やブログ運営による収益化も組み合わせています。 副業ブログによる収益は、初年度で100万円を超えました。

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