サラリーマンにとって、今や転職することは当たり前の時代になりました。職場の環境や年収などの待遇を上げるには、転職が一番の近道なんですよね。
もちろん在職中にうまく次の職場を見つけることができれば良いのですが、何らかの事情で無職期間が生じてしまうこともあると思います。
不本意に生じてしまった空白期間。次の職場を見つけられるかどうか分からない中での転職活動は、ストレスもたまります。
私自身、体調を崩して退職を余儀なくされたものの、次の行き先も決まっていなく、途方にくれてしまいました。
でもそんなときこそ気持ちを切り替えて、働いているときにはできなかったことを色々してみるのが良いと感じました。
退職が決まっているが次の職場がなかなか見つからず、無職期間ができてしまうかもしれない。あるいは、すでに無職期間に入ってしまった。そんな人は、無職期間を神様がくれた思わぬ休日だと思ってみてはいかがでしょうか。
転職活動に失敗。無職期間へ突入・・・
研究者としての人生を歩み始めるも、この世界で食べていけないことを悟った私は、一念発起して民間企業のメーカーへと転職することにしました。その実体験をベースに書いたのが、このブログのタイトルにもなっている「ポスドク転職物語」です。
・ポスドク転職物語 〜バイオ系研究者が民間企業へ転職するまでの、すったもんだ物語
転職先では順調にキャリアを積むことができたのですが、やや物足りなさを感じた私は会計の資格を取得。その後、会計監査というこれまでとは全く異なる世界へと挑戦することにしたのです。
ところがこの転職が大失敗でした。
慣れない仕事に追い打ちをかけて、相性の全く合わない上司から激しいプレッシャーをかけられる日々。休みの間も家でこっそりと仕事をするように命じられるなど、今にして思えば真っ黒な職場環境のために、入社半年足らずで体調を崩してしまうことになったのでした。
その後、これ以上ここにいては体が持たないと退職を決意。幸いなことに、有給をすべて使えば2ヶ月近い時間を転職活動に費やせることが分かったため、在職中に次の職場を見つけるのはそれほど難しくないだろうと考えました。
実際、いくつか候補をあたってみたところ、そのうちの一つで内定が出そうな感触を得ることができたのです。今にして思えば、この時点で気の緩みがあったのかもしれません。これでなんとかなったと安心してしまい、その他の会社を探そうという気持ちが小さくなってしまいました。
ところがこの会社から、土壇場になって採用枠自体がなくなってしまったとの連絡が入るのです。有給がなくなるXデーまで、あと1ヶ月を切ろうかというタイミングでした。
その他の企業はまだ面接するしていない状況。この時点で、私は無職期間に突入してしまうことを覚悟するのでした。
無職期間だからこそできること
結局、予想通り次の職場を決めることができないまま退職の日を迎えることになりました。
自分から会社員という肩書が消え、代わりに失業者という身分になった初めての朝。晴れやかとまではいかないものの、不思議と落ち着いた感触でいたことをよく覚えています。
少なくともブラック企業からは逃げ出すことができたのです。このあとどうなるか、いくら考えても答えが出るようなものでもありません。だったなら、どーんと構えて今までできなかったことをしよう。
私はまず、3歳の誕生日を間近に控えている息子を連れて、色々なところに出かけることにしました。遊んで欲しそうにしている姿を尻目に見ながら休日も仕事を続けていた、せめてもの罪滅ぼしです。
平日の街は、どこも空いていました。待ち時間や行列を気にせずに遊びたいだけ遊べるというのは、子どもにとっては最高の贅沢だったと思います。
次にしたことは、図書館に通って気のおもむくままに色々な本を読んでみることでした。歴史や経済など、いままでまったく手に取ったこともないような分野の本を敢えて読んでみることにしたのです。これは疲れた心をリフレッシュするには本当に効果的でした。特にマクニールの「世界史」は、人間っていったいなんだろうという視点で人類の歴史を振り返ることができる、エキサイティングな本でした。
そうした時間の中であらためて自分自身を見つめ直すことができたのは、その後の転職活動にも明らかにプラスの作用をもたらしたと思います。
幸いなことに転職エージェントの担当者にも恵まれ、自分にぴったりの転職先を見つけることができました。
結局のところ無職期間は2ヶ月程度ですみましたが、自分にとってはいろいろな意味で長く感じる時間でした。
転職のとき、どう答えるか?
さて、無職期間中の転職活動となると気になることも色々とあるでしょうが、中でも「なぜ無職になってしまったのか?」という面接官の質問にどう答えるのか、難しと思います。
私の場合、まず病気で休まざるを得なかった事情については話さないことにしました。転職活動中には体調も回復しており、メンタルクリニックの先生からも問題ないようだとお墨付きをもらっていたからです。
このあたりのところは、採用者が分からしてみれば本音で話してもらいたいと思うかもしれません。ただ、率直に言って病気のことを敢えて話すメリットはあまりないように思います。
その代わりに、私の場合で言えばプロジェクトベースで仕事が進んでおり、一度アサインされると半年程度は退職できなくなってしまう。そうなる前に新しい道に進みたかったので、プロジェクトに参加せずに退職という道を選んだ、と話しました。この話は本当のことでしたので、面接官も退職理由についてはそれ以上は聞いてはきませんでした。
退職に至る理由については、転職エージェントともしっかりと打ち合わせておくのがお勧めです。頼れる担当者であれば、どうやって説明するのが良いのか一緒に考えてくれるはずです。場合によっては、どこを話してどこを話さないかについて、踏み込んだ提案をしてもらえると思います。このあたりのところは、やはりプロに相談するのが一番でしょう。
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無職期間は人を強くする
長い会社員生活の中で、無職期間ができてしまうという人は一体どのくらいいるのでしょう。
はっきりとしたことは分かりませんが、一度正社員になった人が無職になってしまう確率はそれほど高くはないと思います。
でもだからこそ、無職になった時間を過ごした経験というのは、かけがえのないものだと思うんですよね。
まず、なんだかんだいって仕事がある状態というのは恵まれているんだなあと痛感します。だから、今こうして会社員として毎月お給料が振り込まれている生活というのが、どれだけありがたいことなのかと、素直に感謝できます。
一方で、自分自身が本当にやりたいことはなんだろうかと見つめ直すこともできました。私は子供と遊んだり、好きな本を読んだりしながら、この生活がずっと続くにはどうしたらよいか考えるようになりました。その結果、会社に頼らずに生きていく方法はないだろうか真剣に検討し始めたのです。これについては、会社員となった今でも、ずっと考え続けています。
順風満帆に仕事を続けている人からすると、転職に失敗して無職になってしまうような人は、自己管理能力が足りないと映るかもしれません。でも、そんな外野の声はほっておけばいいのです。無職期間は、明らかに人を強く、そして優しくしてくれるものだと思います。
まとめ
今回は、わたしが転職活動に失敗してしまったとき、無職期間をどのように過ごしたのかについてご紹介しました。
本文中にも書いたように、体を崩して立ち直れなくなるくらいなら、さっさと退職して失業の道を選んだほうがはるかにましです。新しい転職先を見つけるには超えなくてはならないハードルもありますが、転職活動を続けていけば、きっとあなたにぴったりの就職先が見つかるはずです。
それまではあせらず、どーんと構えて、せっかくの平日を満喫してみることをお勧めします。
・転職活動に欠かせないのは頼りになるパートナーです。
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