転職というのは人生の方向性を決める一大イベント。転職したからには、より充実した生活を送りたいものですよね。
ところが転職してからしばらくたつと、(この転職は失敗だったかも・・・)なんて思う人も少なくないのではないでしょうか。
そんな私自身も、それまで順調だったキャリアを投げ出して、まったく未経験の業界へ転職したものの、仕事や上司との相性が合わず、1年もしないうちに退職をするという経験をしています。
今回はそんな方たちのために、転職直後に退職することは全然悪いことではない、むしろどんどんと転職して自分に合った新しい職場を見つけようというアドバイスを送りたいと思います。
転職後の職場に合っていなかったり、今まで感じたことのないつらさを経験していて、精神的にまいっている場合もあると思います。そんなときは無理せずに、しっかりと休養を取ることが大事です。そして落ち着きを取り戻したら、今までのことはさっさと忘れて、転職活動を再開しましょう。頼りになる転職エージェントを見つけるのもよし、前職の上司や同僚に相談するというのありだと思います。
私がそうだったように、一歩前に進むことさえできれば、きっと新しい世界が待っていますよ。
目次
転職を繰り返すことは悪というメンタリティ
今でこそ転職をする人は珍しくなくなりましたが、一昔前の日本では終身雇用が当たり前で、転職というのはどちらかとネガティブな意味で捉えられていたと思います。
中年以上のサラリーマンでは、転職なんてしないほうがいいんだと考えている人もまだまだ多いのではないでしょうか。
そんな人達にとってすれば、転職したばかりの会社を1年もしないうちに辞めるのなんて、とんどもないことのように見えるはずです。
そんなことをしたらろくな人生にならない、そもそも会社に迷惑をかけるじゃないか。そんな声が聞こえてきそうです。
こういう人たちというのは、そもそも転職は悪だというメンタリティを持っているのだと思います。
悪いことなのでするなら仕方なくする。する場合はなるべくたくさんしない。そんな考えなのだと思います。
同じように、こうした人は失敗することも悪いことなのだというメンタリティを持っています。だから転職して失敗した人を見つけては、ほらみたことか、いわんこっちゃないと、鬼の首を取ったように非難します。
でも、転職を繰り返すことはそんなに悪いことなのでしょうか?そして、転職という道を選んだ結果、自分とは合わない職場に巡り合ってしまい、失敗したと感じることはそんなに非難されるべきことなのでしょうか?
私はそうは思いません。自分に合った職場がみつかるまで何度も転職することはまったく悪いことではありませんし、その過程において一度や二度失敗するのは、むしろ当然のこととすら思います。
私が確信を持ってそう言えるのは、自分自身がそのような経験の末に自分にあった職場を見つけることができたということに加えて、もともと研究者だったという経験も大いに影響があるのだと考えています。
研究というものはなかなかうまくいきません。何度も何度も失敗を繰り返すうちに、ようやく成果があらわれます。
そのためには、実験方法や研究テーマなどをどんどん修正・変更していく柔軟な姿勢が大事です。
いつかうまくいくだろうと考えて、何も変えず、ただやみくもに同じことを繰り返している人はいつまでたっても成果を出すことができません。
転職と研究を両方やってみて、どちらもとっても似ているなと何度も感じました。
失敗なんて気にせず、うまくいくまで色々とチャレンジしてみること、これが成功の秘訣なのです。
「先輩」の言うことはあてにするな
転職の話を職場の上司や先輩に切り出すと、もしかしたら強く引き止められるかもしれません。
もちろん自分の将来のことを心配してアドバイスしてくれる人もいるでしょうが、なかには部下が辞めてしまうことで自分の評価に傷がつくといった利己的な考えで引き止める人もいます。
そもそも自分よりも一回りも二回りも年上の先輩は、今のようなジョブマーケットの原理を知らずに働いてきています。転職経験があまりないような人の意見の、どこに参考となるものがあるのでしょうか?
私が前職を1年余りで転職しようと考えた際も、やはり直属の上司からはそれがいかに愚かなことか散々と意見を聞かされました。これは人生の先輩としての意見だ、などと言うのです。今となっては、それらはすべてウソだということがはっきり分かりました。それらのウソはどのようなものだったのでしょうか。
先輩のウソその1 キャリアに傷がつく
このタイミングで辞めてしまえば、君のキャリアに傷がつくぞ。私がまっさきにいわれたのは、こんな言葉でした。
たしかに一つの会社に留まり、ゆっくりと昇進の階段を登っていくようなキャリア観からすれば、転職後1年での退職というのは出世の階段を自ら降りてしまうような愚かな選択に見えるのかもしれません。
でも、転職を繰り返しながら自分に合った職場を見つけることも、これはこれで立派なキャリアの一つです。
私自身、転職活動は退職後におこないましたが、ほどなくして良い条件の仕事を見つけることができましたし、年収を上げることすらできました。キャリアの作り方というのは人それぞれなのです。
先輩のウソその2 転職を繰り返すと転職グセがつく
この上司は、せめて3年間は働いてみてはどうかと提案してきました。1年も経たないうちに転職するようでは、これから先もどうなるかわからないぞ、というのです。このとき、転職グセがついてしまう、という言い方をしていました。
世間的には転職を繰り返す人のことを「ジョブホッパー」などと呼ぶことがあります。日本語でも、職を転々とするなどといいますね。どちらもあまりいい意味で使われることはないかと思います。
実は、この職を転々とする働き方も、立派なキャリアの作り方です。特に外資系では転職するたびに年収が上がることが多いため、積極的に転職を繰り返す人が多くいます。
転職後の私の上司も10社以上もの会社を渡り歩いてきた強者ですが、本人的にはいたって順調そうです。
ですので、転職グセがつくぞなどと脅されたら、だから何?、so what? といってやればいいのです。そういう人生を否定することは、もはや時代遅れなのです。
先輩のウソその3 逃げ出すのは弱い人間だ
私の転職の決意が固いことを知ると、今やめることは逃げ出すことだ、君はそんなに弱い人間だったのかと、個人的な攻撃をはじめました。
職場に合う合わないは人間の弱さとは関係ありません。単なる適正の問題です。
もっといってしまえば、仮に「弱い」人間だったとしたら、強い人がいないところに逃げ出せばよいのです。逃げ出すこと自体はまったく悪いことではありません。
また、どうしても人間関係を築くのが苦手なら、人とかかわらない働き方を探せばよいのです。
強さ弱さを含めて人の個性であり、自分にあったやり方が見つかるまで模索する。転職は、そのためにもっとも効率的な方法なのです。
辛い時はひとりで悩まないほうが良い
そうはいっても、転職した職場が自分に合っていないときは、色々と辛いでしょうし、思い悩むこともあるかと思います。そんなときは一人で考えるよりも、誰かに相談しましょう。
そもそも職場が辛いと感じるのは精神的なストレスをかなり抱えていることが多いので、産業医との面談をすることをお勧めします。適応障害などと診断されれば、有給とは別に傷病休暇をもらえますので、その間に体と気持ちを整理して、次の職場を探す準備をしましょう。
もしも前職の職場の人と交流が続いているのならば、相談してみるのも良いと思います。最近は出戻り転職と言って、もともといた職場に復帰するというキャリアも盛んです。結局は古巣の会社のほうが自分には合っていたと感じたなら、出戻りを検討してみても良いと思います。
転職をするうえで、もはや転職エージェント抜きに話をすすめることは困難でしょうから、エージェントへの登録も早めにしておきましょう。
特に頼りになる担当者がつけば、将来的なキャリアの作り方を含めて色々と相談に乗ってくれるはずです。信頼できるパートナーがみつかるまで、複数の転職エージェントと話をしてみることをお勧めします。
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まとめ
転職すること、そしてそれを繰り返すことはまったく悪いことではなく、自分に合った職場を見つけるための合理的な手段です。
転職の話をすれば、気を利かせた風を吹かせている人生の先輩から、色々なアドバイスを受けるかもしれませんが、自分にとって必要ないと思ったら全部無視してしまって大丈夫です。特に新しい職場が辛かったり精神的なストレスを抱えるようであれば、一刻も早くそこから逃げ出すべきです。転職に関しては「逃げるは恥」ではないのです。
私は職場の環境には今まで随分と悩まされてきましたが、色々と転職するうちにようやく今の落ち着いた環境を手に入れることができました。このブログを読んでいる方も、是非とも自分にあった職場を見つけていただければと思います。
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