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バイオのキャリアを活かした転職を成功させるためにはどの業界がオススメ?

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バイオ系企業の人気が高まっています。大学でバイオの研究をした人も最近ではかなり増えてきており、これまでのキャリアを活かして転職を成功させたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

バイオ系といってもその種類は広く、医者・看護師などの医療系から、製薬・診断薬などのヘルスケアといった伝統的な産業までを含めるときりがありません。こういった業界はあえてバイオ系などといわなくても、昔から人気の職業として広く認知されていました。

今回は大学でバイオの知識を身につけた人たちが狙える業界はどのあたりにあるのか解説してみました。バイオは比較的新しい産業のため、業界に対する経験がない状態、いわゆる未経験者でも、大学での研究などでしっかりと基礎を身に着けていれば十分狙える可能性があります。

バイオ系の業界に転職してキャリアアップを狙っている人は、是非とも参考にしてみて下さい。

製薬企業

バイオ系の産業でもっとも花形なのは間違いなく製薬企業でしょう。産業規模や歴史などどれをとっても他の産業に引けを取りません。それだけに転職するにはなかなか敷居が高いのも事実です。

バイオの知識を活かした転職を成功させるには、十分な戦略を立てる必要があります。

研究職

製薬企業でのバイオ系の職種といえばまっさきに研究職が思いつくでしょう。研究者にとっても絶大な人気がありますし、なにより年収面での待遇は抜群です。30代に満たない年齢で700万円以上の年収も期待できるでしょう。

ただし製薬企業での研究職ポジションは激戦です。そもそも外資系企業は日本に研究開発の拠点をおいていないため、必然的に狙うのは日系の企業ということになります。ところが日系の製薬企業は伝統的な日本式経営を取っているところが多いため、研究職であっても基本的には新卒一括採用です。つまり、製薬の研究職に就きたい場合は修士卒か博士卒のタイミングしかないことになります。

このように狭き門の製薬企業ですが、入社することができればその後の人生はかなり安定したものになります。たとえ研究部門が縮小されたとしても、外資のようにいきなりリストラということにはならず、他の部署への配置換えなどで対応するでしょう。こういった古き良き日本的経営が可能なのも、公的保険制度に守られた製薬業界ならではのものといえるでしょう。

メディカルアフェアーズ

製薬業界の研究職は激戦のため、既卒者が狙うには敷居が高すぎます。そこで考えたいのがメディカルアフェアーズという職種です。

メディカルアフェアーズ、あるいはメディカルリエゾンなどといった職種については耳慣れない人も多いでしょう。このポジション自体の歴史も浅く、その呼び名も企業によって異なっているくらいです。

この職種を理解するためには、製薬業界の置かれている社会的立場を考えるのが良いでしょう。

製薬企業は営利企業として利益を追求する一方で、患者さんの病気を治すという社会的意義のある活動をすることが使命付けられています。特に後者の活動をするためには、医師などと連携を取って研究活動をする必要があります。研究活動は営利活動とは切り離されるべきであり、そこに企業の損得などは入り込まないようにしなければなりません。

もし仮に製薬企業の営業が自社製品の評価試験を医師と共同でおこなった場合、営業は自社製品をより良くみせて売上を高くしたいという欲求を持つかもしれず、場合によっては試験結果のデータを改ざんするなどといったこをしてしまうかもしれません(そして実際にそのような事件が発生し、社会的大問題となったケースがありました)。

そこで登場するのがメディカルアフェアーズと呼ばれる職種です。彼らは現場に出て医師と積極的にコミュニケーションするという意味では営業的な役割を担いますが、営業部門とは完全に独立しており、売上のような営利に直結した目標も持ちません。どちらかといえば研究開発の飛び道具的存在といっていいかもしれません。

メディカルアフェアーズはその歴史も浅く、専門の知識をもった人材もなかなかいないためお勧めの職種です。大学で臨床系の研究に近いことをやっており、その疾患に対する知識や有名な先生とのつながりがある場合はまたとないチャンスです。是非ともチャレンジしてみてください。

バイオベンチャー

民間企業でバイオ系の研究を続けようと思った場合、もっともありえそうなのがバイオベンチャーへの転職です。

バイオベンチャーといってもその種類は多く、医薬品開発や医療機器デバイスの開発といった臨床系から、健康食品のようなものまで様々な企業があります。企業規模も、数人程度でやっているようなところから、東証一部上場のような大規模なところまで様々です。

このようにバイオベンチャーといっても色々なタイプがありますが、いずれも研究開発部門がもっとも重要な部署であることは間違いないでしょう。このような場所では、大学で身につけたバイオの知識や実験技術がそのまま役に立ちます。どうしても研究を続けたいと考えている場合、バイオベンチャーへの転職は有力な選択肢です。

ただし、バイオベンチャーへの転職はリスクもかなりあります。もっとも大きいのはその安定性でしょう。大学の先生が研究人生の集大成として立ち上げたような企業は、率直に言って趣味の域を出ません。富と名声を得た大学教授の老後の楽しみとしては十分かもしれませんが、若い人たちが人生のいちばん大事な時期を捧げるにはあまりにも不安定です。

また、バイオという名前がついているだけでちょっかいを出してくるような人がいるのも事実です。MBAや外資系企業でのマネージャー経験などといった肩書だけは立派だけれども、技術のことなど知ろうともしないような人が経営だけでなく研究にまで口をだしてくることも珍しくありません。そういった環境では落ち着いて研究することなどできなくなってしまうでしょう。

とはいえ、アカデミアでポスドクを長いことやっていて不安定な生活に疲弊しているような人にとっては、民間企業での正社員ポジションは天国のように感じられるでしょう。また、バイオ系に興味があっても未経験だという人は、まずはバイオベンチャーの営業職などからスタートするというのも手です。いずれもバイオ業界での経験を手に入れるという意味では、バイオベンチャーは有力です。

バイオベンチャーに転職したら安定性はないものと割り切り、すぐにその次はどうするのかを具体的に意識しながら働くことが重要です。

ライフサイエンス系メーカー

博士号をとってアカデミアで長いことポスドクをやっていながら、なかなか安定した身分が得られず、民間企業への転職を考えている人にとって、ライフサイエンス系メーカーはもっともお勧めできる業界です。

私自身もかなり長いあいだこの業界にいますが、転職してくるポスドクは非常に多くなっており、定着率も非常に高いです。これはメーカーにとってもポスドクにとってもお互いメリットが多いからなのでしょう。また、修士卒でバイオ系の研究をしてきたような人が異業界から営業職に転職してくるというケースも珍しくありません。

バイオ系の研究をしているといろいろな試薬メーカーや測定装置メーカーの名前を聞くようになると思いますが、こうしたライフサイエンス系メーカーは製品知識と業界経験のある人材を常に必要としています。こうしたメーカーはほとんどの場合は外資系企業であるため、ポスドクの採用についても特に偏見もありません(Ph.D.までとっておいて偏見というのも変な話なのですが、日系の採用ではまだまだ一般的ではないのですね)。

ライフサイエンス系メーカーへの転職については、このブログのタイトルにもなっている「ポスドク転職物語」にも詳しく書きましたので、よかったら参考にしてみて下さい。

ライフサイエンス系メーカーは今のところバイオ系企業の転職先として最有力ですが、問題がないわけでもありません。それは急速に減少しているアカデミア関連予算です。かつてはゲノムバブルと呼ばれるような景気の良い時代もありましたが、近年のアカデミア関連予算の縮小は現場レベルでも明らかに感じ取れます。そこで各メーカーとも生き残りをかけた戦略を立てており、その中でももっとも注目されているのが次に述べる臨床系分野への進出なのです。

診断機器・診断薬メーカー

バイオ系の企業でこれからもっとも転職先として有望なのはどこかと聞かれれば、診断機器や診断薬を製造販売している臨床系の企業を挙げたいと思います。

この分野も製薬業界と同じで古くからある産業ではありますが、ここにきて今までにないテクノロジーが診断分野に入り込もうとしています。それが「ゲノム医療」とか「個の医療」などと呼ばれる、遺伝子レベルでの解析データを用いた診断なのです。そして先に上げたライフサイエンス系企業というのはこうした診断のためのテクノロジーを有しており、それらを臨床レベルで使えるようにと一気に攻勢をかけてきているのです。

実は遺伝子診断自体はすでに一部のがんなどにおいて標準的な治療の中に入り込んでおり、大して珍しいものでもありません。感染症のウイルスの特定といった分野でも遺伝子検査は普通におこなわれています。しかしこれらはマーケットサイズという意味ではまだまだ小さく、遺伝子解析が生活の一部に入り込むようなブレークスルーはまだ起きていません。

それではどの分野がもっとも有力なのかというと、残念ながら今の時点ではよく分かりません。がんの超早期発見なのか、生活習慣病の予防なのか、あるいは美容分野なのか、いまの時点で将来の大産業となる分野を特定できる人はいないと思います。

しかしだからこそ、今の時点で臨床系の分野に転職することは有利なのです。特にこの分野は規制が厳しいこともあって、外部からの新規参入をそう簡単には許しません。それはキャリア形成という意味でも同じであり、臨床系診断業界に長いあいだいること自体が、あなたの転職市場における希少性を上げることにつながるのです。

転職先候補として臨床診断分野に少しでも関わりのある企業をみつけたら、是非とも積極的にチャレンジすることをおすすめします。

まとめ

今回はバイオ系の企業に転職を考えている人に向けて、どういった分野がおすすめなのかについて解説してみました。

いずれにしても転職の成功の鍵を担っているのは転職エージェントですので、バイオ系求人の出ているエージェントに積極的に登録することをおすすめします。

転職を考えているポスドクが知っておきたい転職エージェント3選とその活用法
(ポスドクに限らずバイオ系企業への転職を考えいる人は上記のエージェント3社には必ず登録しておきましょう)

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