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研究者の転職先は研究職だけ?意外と魅力的なノンリサーチというキャリアについて。

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日本人のノーベル賞受賞が毎年のように決まる中、子どものなりたい職業の上位に研究者が入るようになってきているそうです。

たしかに研究者というのは自分の好きなことをやってお金がもらえる、夢のような職業に見えるのかもしれません。

ところが実際のところ、大学などのアカデミックな機関で研究者として働くことは非常に難しくなっています。それでも研究者になりたいという人はポスドクと呼ばれる非正規雇用の道がありますが、給与面や待遇などは恵まれているとはいえず、苦労している人も数多くいます。

そんな私自身もポスドクとしてしばらく働いていましたが、想像をはるかにこえたブラック研究室を選んでしまったために大変な苦労をした結果、民間企業への転職を決意しました。しかも私の場合は研究職ではないポジション、いわゆるノンリサーチと呼ばれる職種を選択したのです。結果的にはこの選択は間違っていなかったと思っています。

今回は研究者が民間企業へ転職する際に、ノンリサーチという選択肢があるのだということをお伝えしてみたいと思います。

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職種と業種について

転職する際にまず考えなくてはいけないことは、「職種」と「業種」についてです。みなさんはこの2つの違いをきちんといえますか?

職種」というのは、〜職と名前の付いているものであり、研究者であれば研究職ということになります。営業職や経理職なども職種の一つですね。

もう一方の「業種」についても、〜業ということばを考えれば分かりやすいでしょう。サービス業や建設業などが思い浮かぶと思います。ちなみに大学や公的な研究機関で働いている研究者の場合、所属しているのは「アカデミア」と呼ばれる業界ということになります。

ポスドクのための転職フレームワーク

大学などに残っている特任助教やポスドクなどの非正規雇用の研究者の多くが、研究環境や給与面を含めた待遇などで転職を考えざるを得ない状況になっています。

30代を超えた年齢になって改めて自分のキャリアを考え直さざるを得ないというのは、なかなか大変なことでしょう。私自身、いったいどうやって将来のことを考えたら良いのか途方に暮れたことをよく覚えています。

そんなときは、是非とも以下に述べる研究者のための転職フレームワークを考えてほしいと思います。この図はさきほど解説した「職種」と「業種」をアカデミアの研究者のために書き直したものです。

ポスドクというのはこの図によると「アカデミア」という業界における「リサーチ」という職種についている人々のことを指します。

アカデミアの反対は民間企業ですが、ポスドク界隈のキャリアビルディングにおいては「インダストリー」と呼ぶことが多いのでそのように記載してあります。

そして研究職=リサーチの反対側には「ノンリサーチ」という言葉が記載されています。これは要するに研究職以外の全ての職種を指しているため、その示す範囲は広いものとなります。

いずれにせよ、ポスドクが転職するときに考えるべきことは、自分がこの図の中でどこに向かおうとしているのかをはっきりさせることにほかなりません。

転職の王道「業界チェンジ」を使えるか

ポスドクが大学などでの研究に行き詰まって転職を考え始めたときにまっさきに思うのは、自分がこれまでしてきた研究が民間企業でどのように役に立つのだろうか、ということだと思います。

これは先程の図でいうところの「1」のキャリアを考えていることになります。つまり、研究職という職業をもったまま、インダストリーという他業界に鞍替えをするという道です。

実は転職を考える際に業種だけ変えるというのは、ある意味王道ともいえる方法です。営業や経理職などの人が自分のスキル・経験を活かしながら業界を変えることは珍しくありません。

それではポスドクが民間企業で研究職につけるのかというと、これが実は難しいのです。このタイプの転職が成功するかどうかは、端的に言って分野によるとしかいいようがありません。少なくとも私のいたバイオ業界に関していえば、民間企業で研究職につくことは極めて困難です。そもそもアカデミアでの求人がこれほどまでに少なくなっているのですから、民間企業でのバイオ系の採用ニーズはそれ以上にないものと思っておいたほうが良いでしょう。

そこでおすすめしたいのが2番の職種・業種どちらとも変更するという、いわゆるフルチェンジ型のキャリアパスです。

ノンリサーチキャリアが魅力的な3つの理由

研究者にとって民間企業で研究職以外の道にすすむというのは、始めは想像もつかないかもしれません。しかし、私のまわりを見回してみてもノンリサーチに転職した研究者は大勢いますし、みなやりがいをもって仕事をしているようです。少なくともアカデミアで経験したような地獄の苦しみからは抜け出せています。

そしておそらくこのキャリアパスが、多くのポスドクにとっての最適解であると思われるのです。以下、その理由を述べてみたいと思います。

求人の多さ

これは当たり前の話しですが、ノンリサーチというのは研究職以外の全ての職種を指し示すわけですから、当然求人数も研究職に絞り込んでいるときよりはるかに多く出てきます。求人数が多いということは、それだけ転職するチャンスがあるということです。

これだけだと無責任な言い回しにすぎないので、私の所属しているバイオ系メーカー界隈に絞ってもう少し具体的に説明しましょう。

実は私の所属しているバイオメーカーというのはここ数年でかなり様相が変わってきています。これはどういうことかというと、アカデミアの予算が急激に縮小している中にあって、これまでは製品知識がなくても勝手に売れていったものが、より高度な知識をもった人材でなければ顧客に振り向いてもらえないという風潮が急速に高まってきているのです。そこで、バイオ系ポスドクに対する求人ニーズも旺盛になっているのです。

これはあくまでもバイオ系メーカーに限った話ですが、同じようなことはどこの業界でも起こりうるはずです。要はテクノロジーの進歩にしたがってより高度な知識をもった人間が営業の現場で必要とされているのです。ポスドクの転職は、まさにこの隙間を狙っていくのです。

意外と自由度の高い仕事

ポスドクにノンリサーチをおすすめするもう一つの理由が、自由度という点です。

研究者になった人はもとから知的好奇心が高く、いろいろと自分で新しいことを試してみたいというマインドが旺盛なはずだと思います。そういった人にとっては、営業マーケティング職というのは意外と魅力的な働き方になりうるのです。

それとは逆に、かえって企業での研究職にこだわってしまった場合、当初考えていたような自由度を味わえずに苦労するかもしれません。よほどの大企業で余裕のあるところでない限り、基礎的な研究をする体力というのは民間企業ではそれほどないのです。

その点、新規顧客の開拓やマーケティングプランの策定などは、そもそもこれといった答えのない仕事ですし、組織自体の雰囲気も会社の中では比較的リベラルであることが多く、研究室の自由な雰囲気に近いものを感じられます。ポスドクにとっての営業・マーケティングは意外と魅力的なキャリアになりうるのです。

まとめ

今回はポスドクなどのアカデミアで働く非正規研究者が転職を考える際に、ノンリサーチが魅力的な解である可能性について考えてみました。

ノンリサーチの範囲は広く、私の選んだ営業・マーケティング職以外にも魅力的な職種はたくさんあります。いずれにしても、研究職という職種にこだわらず、さまざまな可能性を考えてみることが、思いもよらない答えを導き出すきっかけになると思います。

なお、転職を考える際には転職エージェントが強力な味方になります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
転職を考えているポスドクが知っておきたい転職エージェント3選とその活用法

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