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35歳以上の転職を成功させるために必要なのは、会社の歯車ではなくモジュールとして生きること

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私はバイオ系の研究者としてポスドクと呼ばれる非正規雇用の環境で働いていましたが、その雇用環境の悪さから転職を決意し、今は民間の企業に勤めています。

実は転職はこれまでに3回していますが、3回目の転職はちょうど35歳を迎えたあたりでおこないました。そのとき世間で言われているような「35歳転職限界説」があるのかと恐れていたのですが、実態は驚くほど首尾よく希望通りの職につくことができたのです。それはポスドクから初めて民間企業へ転職した1回目の時とは比べものにならないくらいスムースなものでした。

なぜ3回目の転職の方が1回目よりも簡単だったのか。それは私が企業にとって組み込みやすい部品=モジュールであったからだと思っています。今回は、35歳以上の転職を成功させる上で非常に重要な考え方となってくるモジュールとしての働き方についてみていきたいと思います。

モジュールってなんだろうか

まずはモジュールという言葉について簡単に解説したいと思います。これはパソコンのパーツを考えると分かりやすいでしょう。

パソコンのハードディスクの容量が少なくなってきたとき、あるいはメモリの容量が足りないと思ったとき、私たちは簡単に新しい部品を買ってきてパソコンに組み込むことができます。(残念ながらMacの場合はそれほどうまくいきませんが。。。)

なぜこういったことが可能なのかというと、パソコンのパーツのひとつひとつはモジュール化されており、世界共通の規格で統一されているからです。そのためパソコンのメーカーと異なるものであってもハードディスクやメモリを簡単に追加したり取替えたりできるのです。

モジュール化された人材というのはまさにパソコンのパーツのように、会社の名前に関わらず自由に移動する(=転職する)ことができるような人材ということになります。

会社の歯車という働き方

モジュール化された働き方というと、どうしても会社の歯車のように使われてしまうというイメージを持たれる方もいるかもしれません。しかし、モジュールと歯車とではその機能や役割がはっきりと異なります

歯車として働く場合、組織の中の仕組みにがっちりとはまってしまい、そこから抜け出すことができません。また、もし不本意にも会社を解雇されてしまった場合は、他の会社で同じような歯車として組み込まれる場所があるか定かではありません。歯車として会社にはめ込まれるこということは、良くも悪くも会社に依存した生き方をするということであり、自らの肉体的・精神的自由を捧げるということにほかなりません。

なにものにも拘束されずに生きたいと考えていた私には、このような働き方は全く魅力的に感じませんでした。私はバイオ系の研究者として数年間ほど働いていたわけですが、そもそもなぜ研究者になったかということを思い出してみますと、会社の歯車のような生き方が自分には全く向いていないことが小さいときからはっきりと分かっていたからでした。

そんな私が、アカデミアの雇用環境のあまりの悪さにギブアップし、民間企業への転職をすることになったのは今まで述べてきたとおりです。

ポスドク転職物語

外資系企業と日系の働き方の違い

こうして図らずも民間企業への転職をすることになるのですが、転職先の企業は外資系だったため、自分の想像していた歯車としての会社員というイメージは崩れ去りました。そして、モジュールとして会社に組み込まれている現在の働き方は、むしろ自分にとって非常に居心地の良いものであることに気付かされたのです。

それではモジュールとしての働き方とはどういったものなのでしょうか。このことを、日系企業の働き方との比較で考えてみましょう。

日系の場合は新卒一括採用で会社に入ります。その後、研修を経て配属先が決まりますが、そのポジションは(一部の研究開発などを除いて)大学の専攻などとは無関係に決まります。配属が決まってから数年も経てばジョブローテーションにより全く異なる職種の部署に異動ということもあります。また転勤による勤務地の移動も頻繁に起こりえます。このようにして、様々な職種や勤務地での仕事を通して、その会社の経営の有様を多角的に理解できる、いわばジェネラリストの育成をすることが日系企業における人材育成の基本的なパターンです。

一方、私の勤務しているような外資系企業では基本的には新卒採用はありません。採用は既にスキルや経験のある人材を中途で取ることが前提となっています。そのため、入社した時点でその人は◯◯ができる人、という肩書が既に貼られていることになります。したがって、勤続途中で職種が変わること(例えば営業として採用された人が経理の部署に異動になるようなこと)というのは、基本的には起こりえません。また、会社都合による勤務地の移動などもありません。このような組織ではスペシャリストとしてその分野を極めていくことが求められるのです。

これからはモジュールとしての働き方が重要となってくる

このように、会社にとっての歯車として働くのか、モジュールとして働くのかの違いは、日系企業と外資系企業の働き方の違いとして顕著に表れているよう思われます。これらの働き方のうち、どちらの働き方が良いのかというのは人それぞれ感想が異なるでしょうし、それぞれ良いところも悪いところもあるでしょうから、一概に決められるようなものでは無いと思います。少なくとも私には後者=モジュールとしての働き方が心地よく感じられということです。

ところが、もしもこれを読まれている読者の方が35歳以上で転職する可能性が高い場合は、モジュールとしての働き方が重要となってきます。

冒頭にも書いたとおり、私は3回目の転職を35歳のときにしましたが、このときの転職が今まででもっともスムースに決まりました。また、収入面でも比較的良い条件を引き出すことに成功したのです。それは何故かといえば、私がアカデミアから最初に転職した外資系の企業における経験が、募集中のポジションにぴったりとマッチしたからにほかなりません。これはまさしく、私が企業のそのポジションにぴったりとはまるモジュールだったからなのです。

もしも私が日系企業に勤めていて、ジェネラリストとして様々な職種の経験を積むようなキャリアの作り方をしていた場合、このような転職をすることができたかというと、かなり難しかっただろうと思います。

実は日系企業のような歯車型の働き方というのは、もしも永続的にその企業に働くことができるという前提があるのならば、非常に魅力的です。様々なスキルを身につけることができるためやりがいもありますし、その企業のことを良く知っているために文字通り「欠くことのできない」人材として重宝されるでしょう。

ところがその前提である終身雇用が常識でなくなった場合はどうでしょうか。業績悪化のために35歳以上で雇用が打ち切られたとして、何らかのスペシャリストとしての肩書がない場合、転職は非常に難しいのではないでしょうか。

このようなことを踏まえると、雇用環境がますます不安定になっていく今後、モジュール型としての働き化を選択するというのは、人生におけるリスクを減らすという意味でも重要になってくるでしょう。

モジュールとしての価値を上げるために何ができるか

モジュールとしての働き方がこれからの時代を生きていく上で重要だというのが、私の転職体験を通じた結論です。それではモジュールとして働くためにどのようなことを意識したら良いでしょうか。以下、いくつかポイントを挙げてみたいと思います。

経験は正義

なんだかんだいって経験というものは転職マーケットにおいて非常に重要です。おおまかにいって、3年程度の経験を積んでいればそのジョブに対する十分なスキルがあるとみなされると思います。つまり、3年間の就業経験が転職におけるモジュールとしての肩書を生み出すのです。

実のところ経験が重要視されるという意味は、あなたがどんな人物であるとか、どんなポテンシャルを秘めているかとったことは重要ではなく、あなたの肩書に転職マーケットでどれほどの価値があるのかということです。これはつまり、自分自身の努力とか成功体験の前に、どういった業界・業種に属していたか、そこが転職時の一番の判断材料になるということでもあります。

端的に言えば、斜陽産業でいくら経験を積んだからといってもそれがモジュールとしての価値を上げるわけではないということに注意が必要です。そういった意味では、どの業界で経験を積んでいくのかということがもっとも重要なことと言えるかもしれません。

国際的な資格を持つ

モジュールとしての価値を上げるという意味では資格を持っていることも有効です。あなたがどんな能力やスキルがあるのか、相手に一発で理解してもらうことができます。それが国際的な資格であれば更に有利です。

このブログでは「博士号」というものが民間企業で働く上でどのような価値・役割を持つのかについて考えているわけですが、このところの転職マーケットの動向などを見聞きするに、資格としての博士号の価値は急激に上昇しているといって間違いないと思います。特にバイオ系の博士号に対する需要は旺盛であり、これからもますます伸びていくことでしょう。これはバイオテクノロジーがいよいよ臨床の現場で活用され始めたためにほかなりません。

博士号の良いところは、これが国際的な資格だというところです。名刺やメールの署名にPh.D.と書かれていれば、相手がどこの国の人でも認めてくれます。このことは外資系企業で働くとよくわかると思います。

その点でいえば、私が取得した米国公認会計士(USCPA)というのも、経理・会計の資格としては国際的に通用するものといえます。これから経理系のフィールドでモジュール的な生き方をしたいと思う場合、まっさきに検討するべき資格といえます。(残念ながら私はまったく活用していませんが・・・)

まとめ

今回は35歳以上の転職を成功させる上で、モジュールとしての働き方が重要だという話しをしてきました。特にこれからの日本における雇用環境の変化を想定すれば、転職する・しないに関わらずモジュール的なキャリアを築くことは大事なことでしょう。

会社の中でのモジュールになるということは、会社と対等に付き合えるということでもあります。会社にしがみつくのではなく個人として会社に属することができれば、精神的な自由も生まれ、いざという時にも安心して転職活動に専念できます。

自分の今までのキャリアがモジュールとしての価値を生み出しているのか、この機会に考えてみてはいかがでしょうか?

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