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産業医は現代の駆け込み寺!?実際の体験から学ぶ、面談の効果的な利用法とは

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みなさんは産業医ってご存知でしょうか?

普段はあまり目にすることがありませんが、ある程度の規模の会社であれば必ずいるはずです。

働く上で心と体の健康を守ることは、わたしたちにとって最優先課題です。産業医はそんな従業員の健康を、会社側の立場に立って管理している存在です。

今回は私がストレス障害になってしまっときに実際に産業医と面談した経験と、そこから学んだ産業医の効果的な使い方について説明したいと思います。

抜け出したくても抜け出せないブラック企業にどっぷりと浸かっているならば、産業医を効果的に使いましょう。きっと、あなたにとっての駆け込み寺になるはずです。

産業医とは?

そもそも産業医とはどういった人なのでしょうか?

日本医師会認定産業医のホームページには、次のように記載されています。

産業医とは、事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師を言います。労働安全衛生法により、一定の規模の事業場には産業医の選任が義務付けられています。
http://jmaqc.jp/sang/occupational_physician/

一定の規模以上の会社には必ず産業医を置かなければならないのですね。

具体的な規模について、Wikipediaから引用します。

事業者は、すべての業種において、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに1人以上の産業医を選任しなければならない。常時3000人を超える労働者を使用する事業場においては、2人以上の産業医を選任しなければならない。(産業医 -Wikipedia

つまり、50人以上の会社には必ず産業医がいるということです。

普段あまり接する機会はないと思いますが、ある程度以上の大きさの会社であれば、どこかで目にすることもあるかもしれません。

なぜ私は産業医面談を自ら希望したのか

私自身、勤務先に産業医がいるということは、あるきっかけがあるまで知りませんでした。

そのきっかけとは、上司による度重なるプレッシャーを受けたことで、深刻な体調不良になってしまったことです。

この人の下で働いていたらいつかは潰されてしまう。そう感じた私は、配置転換や部署異動を何度も申し出ました。

ところが会社側の答えはノー。

配置を変えるにしても、あるいはプロジェクトから外してもらうにしても、いずれも上司の許可が必要なのでした。自ら進んで自分の部下を手放そうなどと考えるほど、私の上司はお人好しではありません。

結局ずるずると仕事を続けていくうちに、動悸やめまい、睡眠障害など、目に見える形で体調が悪化してしまったのです。

このままでは本当にやばい。そのときふと、入社時に説明を受けていたホットラインを思い出します。体調不良を感じた場合は、ホットラインを通じで産業医の面談をするようにと書かれていたのです。

とにかく外部の人間をまきこんで、自分の体調を客観的に把握してもらいたい。そう思った私は、自らホットラインに連絡を取り、産業医面談を実施してもらうように要請したのでした。

産業医は会社側の人間

産業医との面談で感じた印象は、ひとことでいって「冷たい人」という感じでした。

私はもっとカウンセリング的な、暖かい雰囲気を期待していたのです。ところが、産業医との面談はそういったものとはかけ離れた、事務的なものでした。

これは後から知ったのですが、産業医というのは基本的には会社側の人間なんですね。

従業員が働けないような状態(病気やけが)になっているにも関わらず働かせ続けた場合、これは会社側の責任になってしまうわけです。ですから、会社としては産業医を通して従業員の健康管理をおこなう必要があるわけです。

これは味方を変えると、産業医はメンタルヘルスが悪化していしまった従業員に対して、君は働くことができる状態ではないので休息を取らなければならない、と宣言できることを意味しています。体調が回復しない場合は長期休養を余儀なくされ、結果的に失業してしまう可能性もあります

このように産業医というのは、社員の雇用に直接的な影響をおよぼすことができるため、面談というのは厳格かつ事務的におこなう必要があるのでしょう。

実際、私の場合も急性のストレス障害という判断が下され、体調が回復するまでは自宅療養するようにと言うことになりました。

私はとにかく今の職場環境から脱出したいと考えていましたので、この判断はむしろありがたかったです。そういう意味では、産業医は私にとっては駆け込み寺な存在だったといえるでしょう。

産業医をどう利用するべきか?

産業医をどう利用するべきかというのは、人によって考え方が異なるはずです。私なりに整理すると、産業医との付き合い方は以下の2点のどちらかになると思います。

  1. 体調不良になった際に、体調が回復するまで休息をとるお墨付きをもらう場所。回復後は復職を目指す。
  2. 劣悪な職場環境からとにかく逃げ出すための駆け込み寺的存在。体調が回復したら転職を目指す。

どちらを選ぶかはその人次第なのですが、私としては2の道を検討することを強くお勧めします。

まあ、そもそもこのブログが「困ったら悩まずにさっさと転職すればいいじゃん」というスタンスということもあって2を勧めるというのもあります。

ただそれだけでなく、1の復職の道にこだわりすぎている人が多いというのもあります。

よく考えてほしいのは、あなたの健康を損なわせるような職場環境を放置している会社を、あなたは信頼して良いのですか?ということです。

復職後、ストレスの原因となる障害は本当に取り除かれるのでしょうか?上司と気が合わなかったとして、異なる上司のもとで同じような目に合わないと誰が保証するのでしょうか?

社員の健康を守れないような会社は、はっきりいってクソ会社です。クソ会社に雇われている上司なんて、みんなクソかもしれません。そのくらいの気持ちでいたほうが、絶対いいと思います。

転職先の会社で同じ目に会ったら?そうしたらまた転職すればよいのです。あなたに会った会社、ホワイトな働き方ができる会社は、世の中に無数にあります。そのときになってようやく、いままでの働き方が異常だったと気付かされるはずです。今のこの状態が、正常なのだと。

そのためにも、まずは会社を休み、ゆっくりと休息をとりましょう。クソ会社はどうせ休ませてくれるはずもないので、そういうときこそ産業医面談を活用しましょう。そこはあなたにとっての駆け込み寺になるはずです。

まとめ

人間というのはなんというか、現状がどんなに悪くても容認してしまうというクセがあるんですよね。

ブラック企業からなかなか抜け出せないのも、現状を変えたくないという気持ちが無意識に働くからかもしれません。

それでも体の方は正直に警告を出してきます。睡眠障害、摂食障害、咳や頭痛。こうしたシグナルで、あなたに合図を送ってきます。

そんなときはすぐに会社を休みましょう。そのとき、産業医との面談を是非とも有効に使ってください。産業医が休めと言っていることに対して、会社はさすがに拒否できません。

そして休息がしっかりとれたら、ブラック企業からはおさらばして、新しい道を目指しましょう。

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ケンドー修介

東大を卒業して研究者の道に進むも、アカデミアの厳しい現実に直面してドロップアウト。 夢破れて借金あり、なんて言ってもいられず、30半ばから資産形成を開始。インデックス投資のほか、仮想通貨やブログ運営による収益化も組み合わせています。 副業ブログによる収益は、初年度で100万円を超えました。

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