研究室を脱出せよ!〜ポスドク転職物語〜

はじめに

読者のみなさまは「ポスドク問題」というものをご存じでしょうか?

簡単に言ってしまえば、博士号をもった人材を大量に育成しているにもかかわらず、その受け皿となる大学教員の定員はいっこうに増えず、したがって職にあぶれている研究者(=ポスドク)が大量にいる、という問題です。

こうした人々は、頑張って常勤のポストを探すか、任期付きのポスドクのポジションを渡り巡るか、はたまた民間企業への転職を目指すか、と様々な選択肢が考えられます。

このブログ、「ポスドク転職物語」では、そのような中でも民間企業への転職を目指すことにした「僕」が、研究室や転職市場の中でもまれつつ、気づき、吸収していく様子を記した物語を描いています。

現在転職活動を考えていらっしゃるポスドク特任助教といった方はもとより、就職を控えているバイオ系の学生やアカデミアの環境に疲弊している若手〜中堅の研究者にとっても何かしらの気づきを感じ取っていただけるような内容となっております。また、理系の研究室という普段はあまり見聞きすることのない世界を当事者ならではの視点で折り込みましたので、ご興味のある方は是非一読していただければと思います。

内容はあくまでもフィクションであり、ここに描かれた人は「僕」を含め、すべて架空の人物です。とはいえ、エピソードの多くは私自身が耳にし、また経験してきたことでもあります。そのような、当事者からみたリアルな「ポスドク問題」を、面白く描いていければいいかな、と思っております。

さて、物語は研究発表会がおこなわれている会議室から始まるようです。。。

ポスドク転職物語を読んで見る ⇒ (1)ポスドク、打ちのめされる。




アカデミアでの研究に疲弊しているなら民間企業に転職してみよう

アカデミアにおける若手研究者の待遇は一向に改善される兆しがなく、研究を続けたくても経済的に諦めざるを得ないケースがあとをたちません。また、このような環境が少しずつ学生の間に周知されるようになったため、博士課程に進学しようとする学生数自体が激減しています(参考記事)。そのため、アカデミアは深刻な人材不足に悩まされるようになってきており、研究以外の労働負担が一気に若手研究者にのしかかってきています。アカデミアはまさに抜け出すことのできない悪循環に陥っているのです。

このような環境下にあって、安定しない生活に不安を覚えたり、研究そのものに魅力を感じることができなくなってくるのは、ある意味で当然のことといえるでしょう。

そのような研究者の方には、是非とも民間企業への転職をおすすめします。

ポスドク問題関連の話題では必ずといっていいほど、博士号を取った人たちは変わり者が多く、民間企業では受け入れられないといった話しを聞きます。しかしこれは最近の研究者の転職事情を知らない人たちが撒き散らしているデマに過ぎません。博士号を取得した人たちが活躍できる場所は、民間企業のほうがはるかに大きいのです。

ただし、民間企業への転職を考えるに当たっては、当事者であるポスドク自身の考え方を変える必要があります。そのためのキーとなるポイントは2つあります。

一つめのポイントは研究職にこだわらないことです。いわゆるノンリサーチというキャリアを考えた瞬間から、目の前の道は大きく開けてくるでしょう。
研究者の転職先は研究職だけ?意外と魅力的なノンリサーチというキャリアについて。

二つ目のポイントは外資系企業を狙うということです。日本の労働者の中で外資系企業で働いている人は実に1%程度しかいませんが、アカデミアでの経験は外資系企業で大いに活かすことができるはずです。
転職を考えている研究者の皆さん、外資系という選択肢がありますよ

これらを踏まえて、私自身も外資系企業のノンリサーチ職に就くことができました。最初に転職してから6年という歳月が経ちましたが、今だにこの選択は誤っていなかったと確信をもって言えます。

転職にあたっては転職エージェントを使うことが鉄則です。特に外資系企業への転職ということであれば、JACリクルートメントの1択といって良いでしょう。私自身もJACリクルートメントで現在のポジションを獲得しました。

その他、お勧めの転職エージェントについては下記の記事も参考にしてみてください。
転職を考えているポスドクが知っておきたい転職エージェント3選とその活用法

アカデミアの環境で苦労している方にとって、これらの記事が参考となることを願っております。

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  • 管理人プロフィール

ケンドー修介

東大を卒業して研究者の道に進むも、アカデミアの厳しい現実に直面してドロップアウト。 夢破れて借金あり、なんて言ってもいられず、30半ばから資産形成を開始。インデックス投資のほか、仮想通貨やブログ運営による収益化も組み合わせています。 副業ブログによる収益は、初年度で100万円を超えました。

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