若手研究者がアカデミアから民間企業に転職するまでの、すったもんだのお話し
読者のみなさまは「ポスドク問題」というものをご存じでしょうか?
簡単に言ってしまえば、博士号をもった人材を大量に育成しているにもかかわらず、その受け皿となる大学教員の定員はいっこうに増えず、したがって職にあぶれている研究者(=ポスドク)が大量にいる、という問題です。
こうした人々は、頑張って常勤のポストを探すか、任期付きのポスドクのポジションを渡り巡るか、はたまた民間企業への転職を目指すか、と様々な選択肢が考えられます。
これからご紹介するストーリー、「ポスドク転職物語」は、そのような中でも民間企業への転職を目指すことにした「僕」が、研究室や転職市場の中でもまれつつ、気づき、吸収していく様子を記した物語を描いています。
現在転職活動を考えていらっしゃるポスドクや特任助教といった方はもとより、就職を控えているバイオ系の学生やアカデミアの環境に疲弊している若手〜中堅の研究者にとっても何かしらの気づきを感じ取っていただけるような内容となっております。また、理系の研究室という普段はあまり見聞きすることのない世界を当事者ならではの視点で折り込みましたので、ご興味のある方は是非一読していただければと思います。
内容はあくまでもフィクションであり、ここに描かれた人は「僕」を含め、すべて架空の人物です。とはいえ、エピソードの多くは私自身が耳にし、また経験してきたことでもあります。そのような、当事者からみたリアルな「ポスドク問題」を、面白く描いていければいいかな、と思っております。
さて、物語は研究発表会がおこなわれている会議室から始まるようです。。。
ポスドク転職物語を読んで見る ⇒ (1)ポスドク、打ちのめされる。
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