確定拠出年金、通称iDeCoの人気が高まっています。
将来のための自分用年金として運用できることに加えて、節税効果が抜群に高いことから、資産運用に興味のある人は積極的に利用しています。
運用機関としては、運営管理手数料が無料の楽天証券かSBI証券を利用するのがお勧めです。ちなみに私は、普通預金の金利が0.1%という高水準の優遇を受けられる楽天証券を利用しています。
(参考記事)楽天証券で確定拠出年金を始めた人は、金利が0.1%になる楽天銀行の普通預金を活用しよう
楽天証券でiDeCoを行う場合、比較的高いリターンが狙える「たわらノーロード先進国株式」という投資信託を選ぶことをお勧めしている人が多いと思います。私もiDeCoは全額をこの投信に投資しています。
たわらノーロード先進国株式の運用手数料(信託報酬)ですが、0.225%(税抜)となっており、このクラスの投信では最低クラスの水準となっています。(2017年6月現在)
ところで先進国株式の投信としては、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」も有名で、たわらノーロードと双璧をなす低コストインデックスファンドとなっています。
ニッセイ外国株式の運用手数料は0.20%となっており、たわらノーロードよりもさらに低い水準となっています。
わずかな差とはいえ、せっかくなら手数料の安いニッセイ外国株式の方が良かったのかなとも思ったのですが、残念ながら楽天証券のiDeCoではニッセイ外国株式の取り扱いはありません。
そんなことを考えていたところ、どうやら投資信託には信託報酬以外にも手数料がかかることを知りました。これらのコストを全て考慮したものを実質コストと呼び、投信の比較をするには実質コストをみることが大事だということが分かりました。
ということで、たわらノーロードとニッセイ外国株式の実質コストを調べてみたいと思います。
目次
たわらノーロード先進国株式の実質コストは0.26%
投資信託のコストを調べるには、公式サイトの情報を見るのが一番確実です。
たわらノーロード先進国株式 | アセットマネジメントOne
http://www.diam.co.jp/fund/list/313125/
このページの中で、信託報酬を知りたい場合は「交付目論見書」というPDFをダウンロードします。
そうすると、信託報酬が0.225%(税抜)であることが書かれていました。
一方で、信託報酬以外のコストを調べるには「交付運用報告書」を見ます。
すると、以下のような表が載っています。
1万口あたりの信託報酬が18円とあります。これが、先ほどの0.225%の信託報酬に相当します。
またこれとは別に3円の費用が発生していることがわかります。これが、信託報酬以外に発生する費用ということになります。
ということで、トータルのコストは21円ということになるわけですね。パーセントで表示するには、以下のように計算します。
0.225% × (21円/18円) = 0.2625%
18円分が0.225%なので、21円分ではどうなるかを比例計算しているだけですね。
ということで、たわらノーロード先進国株式の実質コストは約0.26%(税抜)ということがわかりました。
ニッセイ外国株式インデックスファンドの実質コストは0.29%
つぎに、ニッセイ外国株式インデックスファンドのコストを調べてみたいと思います。
公式サイトは以下になりますね。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
https://www.nam.co.jp/fundinfo/ngkif/main.html
交付運用報告書は下記の通りとなっています。
一見して分かるのは、信託報酬以外の手数料比率がたわらノーロードに比べて大きいこと。信託報酬30円に対して、その他が13円あります。
これにより、信託報酬は0.20%とたわらノーロードよりも低いにも関わらず、実質コストは0.29%となってしまい、たわらノーロードよりも割高であることが分かります。
まとめると、以下のような感じですね。
信託報酬(税抜) | 実質コスト(税抜) | |
たわらノーロード先進国株式 | 0.225% | 0.26% |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.20% | 0.29% |
ということで、実質コストで比べるとたわらノーロードのほうがお得といえそうです。
両者とも同じインデックス指数を使っており、内容的にはほぼ同一のはずなのですが、運用の仕方(マザーファンドの規模など)によって、コストに差がつくようです。
手数料をしっかり調べる本当の意味とは?
たわらノーロード先進国株式は実質コストでもかなり低い水準ということがわかりましたので、安心して投資を続けられそうです。
ただ、たわらノーロードもニッセイ外国株式も、いずれも手数料は業界最低水準ですし、購入時や売却時に手数料が一切かからないという点も同じです。そういう意味では、両社の違いはほとんどないといっても良さそうです。
実際のところ両社の手数料の差の0.03%というのは、金額に直すと100万円あたりたったの300円です。複利で差は広まっていくとしても、この差はかなり小さなものです。
それにも関わらず、こうやって手数料のことをしっかり調べておくことは有意義だと考えています。
それはなぜかというと、第一に節約意識が生まれるからです。
巨大な資金を運用する投資信託がしのぎを削ってコスト削減をしたとして、私たち自身へのインパクトというのは実はたった数百円にしかなりません。ということは、この数百円をしっかりと貯蓄・運用に回せば、それと同じくらいの効果をもたらすということです。そうやって考えれば、おいそれと無駄遣いする気にならないでしょう?節約は最大の投資というのは、まさにこういうことなのです。
第二のポイントは、投資信託に対する手数料への意識が高まることにあります。
現在、日本で販売されている人気投資信託のほとんどは高コストのアクティブファンドとなっています。なかには手数料が2%以上するものもあるようです。
こんな商品、一体誰が買うの!?と思ってしまいますが、金融知識の乏しい高齢者が、退職金の運用として金融機関の言われるがままに購入してしまうのだそうです。
私たち現役世代は、そうした詐欺のような商品で貴重な資産を目減りさせてしまう余裕は一切ありません。0.01%単位で手数料を目ざとくチェックする習慣をつけておけば、こうした詐欺まがいの投信を勧められた際にも、すぐに気づくことができるはずです。
まとめ
たわらノーロード先進国株式の実質コストは0.26%となっており、このタイプの投資信託としては業界最低水準の低コストとなっています。
もちろん投資信託は元本割れを起こすリスクのある金融商品ですので、その点についてはしっかりと理解した上で選択しましょう。ただ、超低金利時代の現在においてある程度のリターンを取るためには、積極的にリスクを取りに行かざるを得ないことも確かです。
iDeCoへの申込みがまだの方は、楽天証券でたわらノーロード先進国株式を選択しておけば、とりあえずは間違いはなさそうです。
お金の勉強ってどうやるの?
これからは、自分の将来は自分で決めなくてはならない時代。お金についても、しっかりとした知識を身につける必要があります。
日本人はお金のことを考えるのは下品だと考える風習が根強いため、学校などでしっかりとした金融知識を勉強する機会がありませんでした。
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